『 足りない 』  by 水城ひかるこさん


「どしたの?」

なかなか会えないルフィに、ようやく時間がとれて思いっきり抱いて貰ったのに、
俺はまだ全然ルフィが足らなくて、また直ぐルフィとは会えなくなってしまうのに、
足らないのが哀しくて、ルフィにギュッとしがみついてしまう。

「ん?」

ルフィはそんな俺にメチャメチャ甘くて、あんまり甘いから、俺は自分の貧欲さに涙が零れた。

「そんなに泣くほど、ゾロは何が辛いの?」

零れてしまった涙を、ルフィが舌で舐めて俺をじっと見る。
もっとシテ欲しいだなんて、俺はなんて淫乱なんだろう。
ルフィと出会う迄、俺は自分じゃ淡白だとばかり思っていたのに。

「言えないの?」

ルフィの指が、まだ尖っている胸元に触れる。
俺はビクッと過剰に反応してしまい、羞恥に顔が染まる。

「ゾロは可愛いなあ。なら身体に聞いてアゲル」

そう言って、ルフィは再び俺の全身に唇で触れる。

「あ…」

溶ける。
ルフィの舌に触れた肌がドロドロに瘍けて、俺の欲しいモノ、最も望んだモノをルフィはくれる。

「そんなに可愛いと、誰の目にも触れないように閉じ込めちゃうぞ」

仕事も友人も忘れて、ルフィと二人きり。
だがその世界でも、このモンキー・D・ルフィと云う男を俺だけが独占することなど、出来はしないのだ。

「閉じ込めたいのは、俺の方だよ」

ディープな口付けの合間に、ルフィにそっと囁く。

ルフィを閉じ込めたら、俺はルフィと二人だけの世界に永遠に一緒にいる。
だが俺を閉じ込めたルフィは、きっと一緒にはいられないだろう。
その事実が哀しくて辛いが、そんな戯言は言えやしない。

「俺のゾロは可愛いなあ」

所有格で呼ばれる幸福。

俺はルフィに溺れているのに、ルフィには俺はきっときらびやかなアクセサリーのひとつ。
気まぐれに奪って、他愛もなく落ちてきた芸能人のひとり。

 


 



きゃあ!!
おねだりしてみるもんだ!!!
サイト開設の記念にリクエストさせていただきました。
「めっちゃゾロ受のルゾロ。出来ればゾロが恥じらってると喜びます。」
ってリクエストです(笑)
で、「二代目×俳優」設定の続きを書いてくださったんですね〜〜〜嬉しい♪
ひかるこさんとこでもう1作品、この設定のパラレルが読めます。
これまたいいんですよ〜〜〜〜!!!必読ですよ!!!

ひかるこさんとこへはLINKから飛んでもらって、パラレルを見てくださいね。


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 2008.12.21

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