『 馬鹿 』  by 水城ひかるこさん



 

俺は馬鹿だ。
捕まって、蹂躙されたこの部屋にまた来てしまうのなんて大馬鹿だ。
馬鹿とわかっていながら、時間が出来るとまたここに来ちまう。

ルフィは詫びと言った。詫びと言って、ここの鍵をくれた。
この部屋の権利書やら法的な書類は、後日事務所に親展で俺宛に届いていた。
弁護士曰く、完璧にこの部屋は俺のものになってるらしい。
俺の身体の代価は、この何も無い、空虚な部屋と同等だなんて、ヤクザが芸能人の身体を自由にした代価だなんて。
それなのに、また舞い戻ってしまう。
身動き出来なくなったあの視線にもう一度囚われたくて、もう一度ルフィに会いたくて。

俺とルフィの接点なんて無い。あの日は、本当にたまたまであり、偶然だった。
だからこそ、俺にはもうルフィとの接点など、ここ以外に皆無なのだ。

「いよう」

カチャリと回る鍵の先には、変わらない何も無い部屋。
だがその奥には、ルフィが真っ赤なソファにゆったりと座していた。

「ゾロお前馬鹿か?」

ルフィが持つグラスに満たされているものも真っ赤。

多分傍らにあるワインのボトルの中味なのだろう、だがルフィが口にしているソレは
ありきたりのワインなどではなく、まるで血のように真っ赤だった。まるで俺の血を
その唇で飲み干しているように。

「来いよ、ここに跪け」

ルフィが目の前にいる。

「ゾロは馬鹿だなぁ。せっかく、一度だけで放してやろうと思ったのに」

ゆっくり降ろされたファスナーから、ルフィの雄の匂いが立ち上がる。

「自分からこの部屋に入り浸るなんて。それとも、あの一度でオレが忘れられなくなった?」

答えは、俺がルフィのを咥えたことで、ルフィにも解っただろう。
俺はルフィを貪った。
口淫など、したことも無いのに夢中になった。
先の部分を舐め、舌で竿を刺激して俺の唾液を絡めると俺がルフィを蹂躙しているようで、口いっぱいに頬ばる。
ルフィが直ぐに大きくなったのに興奮する。俺の口でルフィが育つのが嬉しい。

「がっつくなよ」

ルフィの少し掠れた声に悦びを感じる。
再び己の耳元で、この熱い声が聴けるとは。

「ゾロ…」

不意にルフィが俺の腕を引き上げ、たった今までルフィを舐めていた口にルフィの唇が重なる。
それは激しくディープなキスになり、いつの間にか俺の方がルフィに股間をまさぐられて尻に指を入れられて
掻き回されていて。
俺はルフィの膝の上で、ルフィにしがみついて、ルフィに貫かれていた。

「馬鹿だなぁ」

ルフィが俺の髪をゆっくりと撫でながら云う。

馬鹿でもいいんだ。
ルフィと一緒にいれるのなら、俺は馬鹿でいい。
実際、俺は馬鹿なんだろうから。

俺はルフィにギュッとしがみつく。ルフィは俺の髪に唇を落として、甘く囁く。

「お前が馬鹿だから、お前の肌に、消えないオレの印を付けたくなっちまった」

そう言って、肩口に強く強く吸い付かれた肌がピリリとする。

付けてくれよ、ルフィ。
何度も、何度でも消えることなく何度も。

俺はプロとしてのプライドよりも、ルフィに愛される証が欲しい。いっそルフィが跡を残し易いように、
ルフィが好きな処に彫りものを刻もうかと思う。


後に最もSexyな俳優と唱われるようになり、不動の人気を博すロロノア・ゾロの滑らかな鎖骨に、
蝶の刺青が彩ることになるのは、もう少し後のこと。

 



はあああああああ・・・・。
ため息ついちゃうよね!!
なんだこの素敵さは?!あり得ないでしょ?!
ホントにホントにお二人には感謝しています。
こんな素敵な作品、ありがとうございます!!

って言ってたら!!
ひかるこさん、更に続きを!!
ええええええええええ!?
いいんですか?!いただいちゃって?!
ってもう強奪してきちゃったけど(おい)


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 2008.10.25

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