『好きなんて言えない2』

 



涙…なんで涙。
ゾロが帰った後、今夜の晩飯のことを考えて、嬉しくて。
ゾロと一緒にいられるってことが、ホントに嬉しかった。


なのになんで涙?


今日はバイトも入ってないし、
ゾロとの約束の時間まで少し寝ておこうと思っていたけど、
とても寝られそうにない。


ゾロと晩飯、嬉しい。
なのに涙、しかもなんか悲しい感じが……。
フルフルと首を振り、きっと嬉し涙だと言い聞かせた。


携帯が鳴る。
メールじゃなくて、着信だ。
ディスプレイを覗いてみると、ナミだった。
「おお、ナミ。なんだ、どうかしたのか?」
ナミから携帯って珍しい。
用件は大抵メールで済ませているから。
『プレゼント、気に入った?』
「…なんのことだよ。」
『またまた、とぼけても無駄よ〜私を誰だと思ってんの?』
……まあな、誤魔化せるとは思ってなかったけど。


「いつ気付いたんだよ。」
『え〜?ゾロなんか、最初からじゃないの?あんたは最近だけど。』
俺?!
「俺自身が気付いたの昨日だぜ?!」
だから、私を誰だと思ってんの、と念を押された。
怖いな…ナミって普通じゃねぇわ。


ナミには隠し事なんて無理。
観念した俺は、昨日からのことを話した。
涙のことは話さなかったけど。


『なに?あんたは告白しないの?』
「ああ。」
『ゾロは告白したのに?』
「告白っつったって、酔った勢いだし、ほとんど覚えてねぇし。」
『…あんた、それでいいんだ。』
ナミの言葉にグッとくる。
胸が痛んで、そして次の言葉が出て来なかった。


『ま、いいけどね、私は関係ないし。』
じゃあ何しに携帯してきたんだよ…。


『ねぇ、私が何でこんなことしたか、分かる?』
「へ?」
唐突な問いかけに驚く。
そういや、なんでナミのやつこんなことしたんだ。
「……や、分かんね……なんで?」


しばらく沈黙が続いた。
なんか、長い長い沈黙に感じた。


『分かんないならいいのよ。』
「え?でも…」
何か言いたそうな感じが…。
顔見えねぇから、何とも言えないけど。
『いいのよ。いつか…そうね、あんたが素直に告白出来たら教えたげる。』
「はぁ?!だーからっ!言わねぇって!!」
アハハハ!!と豪快に笑うナミ。
なんだよ、なんか担がれてねぇか?


『じゃ、デート、頑張ってね〜』
「デ…デート?!な、何言って…」


ツー、ツー、ツー


はぁ…ナミ、ホント何しに携帯してきたんだ…。
あんなこと言われたら、否応なしに意識しちまう。
ヤバいなぁ…俺普通に出来るかなぁ。


ナミがなんであんなことしたのか、結局分かんなかったけど……
それでも、何も分からなかった自分に戻ることは出来ないし、
不安と同じくしてワクワクする気持ちだってある。
早く会いたい、会いたい。
ナミと話しているうちに、ゾロへの想いが増した気がする。


「告白、かぁ…。」


寝転がって、天井を見つめて、さっきまでゾロがいた空間に手を広げて。
ゾロの告白と、
俺の想いを、
全部全部、
ギュッと抱きしめた。



 



ああ、やっぱり長くなる〜〜(泣)
この間、きっと同じくぐるぐるしてるであろうゾロを妄想すると悶えます(馬鹿)
ナミさんは・・・また出てくるよ!!
なんでこんなことしたか、ベタだよね〜〜(笑)

 

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