『そんな昼下がり』

 

穏やかな昼下がり。
ルフィとウソップ、それからチョッパーが何やら楽しそうにワイワイやっている。
ロビンは何やら調べものをしたいと本を積み上げ読みふけってるし、
ゾロはいつもの場所で例によって昼寝中。
サンジくんはキッチンで昼食の片付けとおやつの準備をしてるだろう。
私は新聞を広げて情報収集。

いつもの、ホントに代わり映えのない、そんな昼下がり。


「ナミさん、何か飲みませんか?」
「ありがとう、サンジくん。そうね、冷たい飲み物がいいわ。」
サンジくんはすぐにアイスティーを持ってきてくれた。
当たり前なんだけど、抜群の美味しさ。
「ん、美味しいわ!」
「ナミさんの為に、特別、俺の愛が入ってますから。」
こんな台詞も、サンジくんは照れずに言うのよね。
ハイハイと適当にあしらうけど。

ふと、ルフィがウソップやチョッパーから離れ、昼寝中のゾロに近付いて行った。
眠っているゾロの顔をしばらく眺め、ニコッと笑うとまたウソップ達のところに戻っていった。

「…何よ、あれ。」
「なん…ですかね…。」
二人で顔を見合わせて、しばらくの沈黙。
「私、前々から思ってたんだけど…ルフィって、ゾロのこと…」
「…やっぱりそう思いますか、ナミさんも。」

視線をルフィに移す。
さっきより、確実に『笑顔指数』が上がってる。

「よく見るとチラチラ見たりして、何度もやってんのね、ゾロ確認。」
「俺はよくキッチンの窓から見かけますよ。何度も行ったり来たり。」

ふうん、ともう一度ルフィを見る。
「よっぽど好きなのね。」
「あのマリモをってのは、信じがたいですけど。」
笑いながら、そうね、と答えた。
「でも、いいわね。あんなに好きになれるなんて。」
「…」
サンジくんは答えなかった。

私は初めて二人に出会った時のことを思い出していた。
馬鹿みたいに強い二人。
そして、馬鹿みたいに強い信頼関係。
後で出会ってから間もないと聞いた時はかなり驚いたっけ。
行ったり来たりしているルフィを見ながら、なんだか羨ましく思った。

「ルフィみたいにしたら、俺の想いも伝わりますかね、ナミさん。」
「え?!」

フワッと微笑む。
サンジ…くん…。

「もう少ししたらおやつの時間ですから。」

そう言うと、サンジくんはキッチンに戻って行った。

やだ、なんかドキドキした。
もう、ルフィがあんなに想いたっぷりの瞳でゾロを見るから。

なんか煽りを受けた気分。
なんか落ち着かない気分。
そんな穏やかだったはずの昼下がり。

 

 

 


サン誕SS書いたよ〜〜ってお友達のひかるこさんにお知らせしたら、
「てっきり海賊だと思ってた〜〜海賊で、ルフィのことが大好きなサンジとナミの話が読みたい!」って言われまして。
ええーーーって思ったんだけど、なんか順調に書けちゃったのでひかるこさんにプレゼントした代物です。
サンジくんの切ない感じがいいな〜〜って思ってたんだけどね。
やっぱそこはルフィスキーなひかるこさん。
「ゾロ確認ルフィ」がかわいい!!って言われて・・・
そんで私ってば・・・なぜ・・・このルフィで切ない系を
書きたいって思っちゃってさ。
で、書いちゃったのさ!!
よかったら↓読んでみてね!!


「だから、言わねぇ」
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