『だから、言わねぇ』


もう忘れちまった。
一番最初に気が付いたのが、いつだったかなんて。

ゾロは一番最初の仲間。
三刀流で、海賊狩りで。
変わったヤツと思ったけど、俺の直感はゾロを欲した。

世界一の剣豪を目指すゾロは、その戦い方にも無茶が多く、命が危うくなることもしばしばだった。
あの鷹の目と戦った後のゾロ。
心が引き千切られるような衝撃だった。
その時初めて、ゾロを失うということが、自分にとってどんなことなのかを理解した。

それからだ。
ゾロがそこにいて、ちゃんと息をして。
それを確認するようになったのは。
確認出来るとホッとして嬉しくなるけど、またすぐに確認したくなる。

それを繰り返しているうちに…俺はゾロを見るとドキドキしていることに気が付いた。
本当は、確認するだけじゃ足らなくて、触れたり、抱きしめたりしてぇって。
ゾロとキス、してぇって。
昼寝してるゾロを覗き込むと、あの薄い唇がピクッと動く。
あの悪そうに笑う口元を思い出してゾクゾクする。

ああ、俺。

ゾロが、好きなんだ。


そんな俺に気付いたナミが言う。

「伝えないの?」

うん、伝えねぇ。

「アイツとことん鈍いから、言わなきゃ分かんないわよ?」

うん、それでいいんだ。


ゾロはああ見えて、スゴく優しいから。
俺が告白したら、きっと片方の眉だけがググッと上がって、ジッと俺を見て。
それから、申し訳なさそうに微笑むんだろうな。
きっと悩むぞ、ゾロは。
…そおいうヤツなんだ。
だから、好きなんだ。

だから。

ゾロを悩ませたくねぇ。
ゾロに気を遣わせたくねぇ。
今のまま、最高の相棒として。
ずっとゾロといてぇから。


だから、言えねぇ。


だから、言わねぇ。

 

 


 

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ど・・・どうでしょうか?
ちゃんと切ない系になってるでしょうか??
私の中で、ルフィはホントに自由で奔放に生きてるって感じなんですけど、
ゾロが相手になると、自分を押し付けるようなことはしない・・・って思ったりするんですよ。
もちろん、通常は「ゾロは馬鹿だなぁ〜」なんて可愛そうな子扱いしてますけどw
このお話、ちょっとだけ続きます。
ん〜ルゾロっぽいけど・・・結局ゾロルなのかも(笑)