『始まりは彼女から』(ZoroSide)

 

俺達は、ゴーイング・メリー号に別れを告げ、船大工のフランキーが作った

サウザンド・サニー号に乗り込んだ。

少々広過ぎて、どこに何があるのか、さっぱり分からねぇのが難点だが、

甲板には芝が張ってあって昼寝には最高だし、トレーニングする場所もあるし、

フランキーには感謝しねぇとな。

フランキーはあっという間に仲間に馴染んだ。

ルフィなんか、ウソップのことがあって、あんだけ怒ってたのにな。

 

 

ウォーターセブンを出航して数日経ったある晩。

昼寝し過ぎたか、眠れずにいた。

キッチンへ行って、一口酒でも呑んでくるか、いや、一口で終らず、

呑み干してしまい、朝っぱらからコックにどやされるのも気分が悪い。

そんなことを考えていると、

「はぁうっ!」

ん?なんだ、誰かの寝言か?

なんだか、ヤバそうな声だったが…

しばらく様子を伺っていると、また声がした。

「…全く、横着な呼び出し方しやがって…」

フランキー、の声だ。

ゴソゴソと起き上がる音がして、部屋を出ていった。

「呼び出し方?」

意味が分からなかったが、ともかくフランキーが起きていることには間違いない。

ヤツを誘って、一杯やるかな。

俺は男部屋を出て、フランキーを探した。

が、キッチンに来たつもりが、甲板に出てしまった。

「なんなんだよ、この船は…」

まだ慣れてねぇから仕方がねぇか。

俺は大きくため息をつくと、何気なく上を見上げた。

見張り部屋が見える。

そして…影が二つ。

「ん?二つ?」

今夜の不眠番は確か…ロビンだ。

じゃあ細く見えるのがロビンだな。

もう一つ。

「…フランキー?!」

あのガタイのデカさはフランキーだ。

何故フランキーがロビンと見張り部屋に?

 

『横着な呼び出し方しやがって…』

 

あ…なるほどな。

フランキーはロビンに呼び出しをくった訳だ。

しかも初めてじゃねぇ感じだな。

 

 …ま、俺には関係のねぇこと、だ。

酒を呑み損ねた俺は、またそのまま寝床に入った。

そして、ルフィにちょっかい出すやつが一人減ったなだとか、

コックが知ったらエライ騒ぎになるだろうなだとか、

そんなことを考えているうちに、深い眠りに落ちていった。

 

 

フランキーとロビンのことが、クルーに知られるのは、もう少し先のことだが、

その時のコックの反応については…言うまでもねぇよな

 



一番気付かないであろうゾロが見ちったってーーのがポイントでw(何のだ)
地味に続きます。

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