『 Call  Me 』 by 水城ひかるこ


ルフィが悪いんじゃない。ルフィだけが悪いんじゃないんだ。


俺がウソップに感じていた好意は、勿論嘘なんかじゃなかった。
ウソップの視線を好ましく思い、ウソップを抱きしめたのも、間違いなんかじゃなかった。

だけどルフィを紹介されたときに走った電流のようなものとは、ウソップとのそれは
明らかに違っていた。
もっと穏やかなふんわりしたもの…それがルフィを見た途端に一瞬で砕けてしまった。

そう、それはもう、砕けてしまった。
もしかしたら修復出来る欠片だったかも知れなかったが、俺がルフィの唇を吸い、自ら細かく砕いてしまった。


多分、俺達は穏やかに過ごすには出会っちゃいけなかったんだろう。


ウソップと二人でいたら得られた優しさみたいななにもかもが、
ルフィの瞳を見つめて溺れてしまった俺には、もう酷く遠くなってしまった。

すまない、ウソップ。
俺の方からお前を抱きしめたのに。
お前を大切に想っていたのは、間違いじゃなかったのに。






「ストップモーション」の続きです。
続きっていうか、対かな。
ありがたいことですよね、私の小説から妄想していただけるなんてw
ひかるこさんの小説は、『想い』が伝わってくるので大好きです。
いつもありがとうございます!!

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『ストップモーション』  (ひかるこさん作)


2008.07.09

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