『自重せよ』  by 水城ひかるこさん

 

「おいゾロ、ちったぁ自重しろよなぁ」

そうぼやいたのは、我等が船長を親友という位置に置いている狙撃手ですね。

「なにが」

こちらは、緑髪で強面の剣士、ニヒルです。

「お前、ルフィが無頓着なのをいいことに、やりたい放題だろ!!」

やりたい放題…。
ああ、この間ルフィさんと一緒に入ろうと誘われた、お風呂で見たあの身体のことで
すかね(笑)


◇◇◇


「ブルック〜、お前も一緒に風呂入ろうよ!」

無邪気な船長さんは、骸骨の私を面白がって、このライオンちゃん(あれ、別の名がありましたっけ?)に乗ってから、
色々なコトにお誘いしてくださる。
今も可愛い船医だと云うぬいぐるみみたいなチョッパーさんを、小脇に抱えてのお誘いです。

「ウソップと4人で」
「サニーのお風呂は広いんだぞ、エッエッエッ」

自慢気な船医も、私と入るのに不満は無いようですね。

「ウソップさんは?」
「もう入ってる」

…それって、ウソップさんには了承を得てないんでは、とも思いましたが、この船の権力者のナミさんからも言われていましたからね。
お風呂は一気に効率的に!
経済的です。

「あ、はい。では入りましょうか」

お風呂場へ向かって、3人で歩く。

「なあなあブルック、肉付いて無いのか、これっぽっちも?」
「俺俺俺も、良く見ていいか!?」

肉好きのルフィ船長に言われると、なにやら別の意味があるように感じますが(笑)
まあ深い意味はないのでしょう。脱衣場で服を脱ぎながら、お二人の言葉に微笑む。

「ええ、肉は付いてませんよ、欠片も…残念ながら。どうぞ」

会話出来るのって素晴らしいですね!
会話は、相手が居ませんと出来ませんから。

お二人に、タイを外した赤裸々な肉体を見せる。なんて私、骨だけだからホントに肉無いんですけど!!
それでも、お二人は目をキラキラさせながら私を見ています。
隠すべき何も無いのですが、じっと見つめる4ツの瞳にちょっと羞恥心が湧き上がります。
元から着ている服の少ない二人は、既に真っ裸で何も隠したりしてませんし。

「はあ〜ブルック、お前立派な骨格だなぁ!!」

そう云うアナタは、モコモコで可愛いですね。

「ウソップ〜、入るぞー」

ルフィさんに続いて、ゾロゾロ浴室に入ると、確かに、素晴らしいお風呂場が湯煙の中に霞んで見えます。

「おお!?」
「すみません、私までご一緒してしまって」
「や、それはいいんだけど」

慎み深く、ウソップさんはタオルで腰を隠しながら、髪をブクブクと泡立ててる最中でした。

「ほら、ルフィ!!お前はチョッパーとコッチに並んで」

いきなり入って来た私達に驚くかと思いましたが、ははあウソップさん、慣れていますねぇ。

「ブルック、お前も能力者なんだから、余り水は得意じゃないんだろ?」

私にまで気づかってくれます。ウソップさんって、かなりな苦労性とお見受け致しました。
その優しさがじ〜んと心に沁み渡ります。

「あ、はい」

話しながら、ウソップさんはシャワーでルフィさんを濡らして、ルフィさんはチョッパーさんを濡らしています。
最初に軽く身体に湯を掛けてから、頭を濡らして泡立て始めます。

「かゆいトコはありませんか〜」
「耳の後ろ!」
「エッエッエッ!」

いつもの手順なんでしょう、3人で泡だらけになって微笑ましく洗いあってます。

「ブルックも洗うか?」
「いいえ、私は自分で大丈夫です」

ウソップさんは、ルフィさんの頭を洗います。
ルフィさんは、チョッパーさんを泡々にして、かなり楽しそうです。

「よ〜しルフィ、次は身体だ」

頭から泡を洗い流して、タオルを渡されてルフィさんは頭を拭いてます。
次いでウソップさんは、ルフィさんをクルリと回して向かい合わせになります。

「大丈夫かあ」

言いながら、ウソップさんに腕を洗われ、ちょっとくたっとしたルフィさんも可愛いですね。

腕、肩、首筋。
滑らかに泡が伝うドキッとするルフィさんの身体を、ウソップさんはどんどん洗っていきます。

「うう…」

丁寧に洗われて、ルフィさんは気持ちよいのでしょう、ほんのりと赤く上気した頬が一層幼く見えて可愛いです。
でもきっと力も抜けて来ましたよね。くたっとした身体も赤く色づいて柔らかそうです。

「ルフィって、熱くなるとゴムだからか固い筋肉も柔らかそうだよな」

泡から脱っしたチョッパーさんが、私と同じことを思ったようです。

「よし、終わり。チンコは各自で洗うように!」

「「おおっ!」」

声が重なり、爆笑の中で3人でごそごそ。
シモネタ大好きなお年頃なんですね(笑)

「よーし、湯船だ!気をつけろよ」

局部の泡を落として、湯船にダイブする3人。

「ひゃあ!」
「えっ」
「あわわわ!」

湯に浸かろうとしていたルフィさんが、飛び上がりました。

「ルフィの尻!!」

溺れる寸前に、ウソップさんに抱きつくように倒れたルフィさんの身体を見たウソップさんの雄叫びが響きます。

「しみ‥しみる…」
「これ…」

私達3人は、ルフィさんのお尻を見て絶句しました。
そこには、明らかな“咬み傷”が!!

「ど、どうしたんだ、ルフィ」
「ダイジョーブ」
「アイツ…」

そろり入り直したルフィさんに、オロオロ顔のチョッパーさん。そしてあの傷に心あたりがあるようなウソップさん。

ははあ、この強い船長さんのお尻に、自由に跡を残すことが出来る人がこの船にいるんですね。
それはあのカッコイい剣士なんでしょうか。

「痛くないのか、ソレ」
「消毒するか?」
「や、傷?いつ付いたんだろ?別に痛くねぇよ。シミるだけ」

ルフィさんは、気にせずはひゅ〜と息を吐いて湯船に浸かります。

「おお!ブルックも真っ白だな!!」

私を見て嬉しそうなルフィさんに、苦笑いのウソップさん。あんなところの咬み傷
は、合意の上じゃなきゃ、付けられないですよね。

「ゾロのヤツ…」

ウソップさんの呟きに…どうやら、一波乱ありそうです。
 

 



ひかるこさんにリクエストして書いてもらったものです〜〜w
確か・・・甘いゾロルってリクだったと思います。
んふふ(気持ち悪い)って笑っちゃうのが、きっとこのSSのツボです!!!





 2008.07.25

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