『全部欲しい』

 

 

「なあゾロ。俺さ…なんつうかな、ゾロの全部が欲しい。」
「はあ?…あのなぁルフィ、俺は…」
「分かってる。ゾロはゾロだし、物じゃねぇし。」
「分かってんだったら、なんでそんなこと言うんだ。」
「…うまく言えねぇ。俺こんな訳分かんねぇの初めてだし。」
「…」
「うまく言えねぇけど…分かってんのは、俺に出会う前のゾロも、出会ってからのゾロも。
 それから、大剣豪になるまでのゾロも、なってからのゾロも。」
「全部だな。」
「うん。ああ、それから、今ここにいるゾロも。ゾロの全てを俺の物にしたいってことだ。」
「随分とわがままな話だな。」
「でも俺、そうしてぇから。」
「ハハッ、そうかよ。」
「シシシ、そうなんだよ。」
「その話、俺に拒否権あんのか?」
「ゾロ、拒否するのか?」
「いや、しねぇけど。」
「だろ?必要ねぇじゃん。」
「お前のそう言うとこ、叶わねぇって思うよ。」
「そか?普通だろ?」
「そんな普通はねぇよ。」
「まあとにかく、ゾロは俺のゾロってことだ。」
「ふん。そういうことにしといてやるよ。」


二人がこんな会話をしてから、それは恋愛感情だと知るまで、まだまだ当分先のこと。




SS書くのに行き詰ると、会話形式にしてしまう傾向にあるらしきことに気付いた(はあ?
ゾロルでもルゾロでもない、なんか微妙な感じになってしまったけど、
二人の始まりはこんな感じだと良いなと。
ルフィはきっと好きって表現は苦もなく出来ると思うんだけど、
恋愛感情の『好き』って、また違う好きじゃないですか。
そんな感情に戸惑い、でもやっぱり伝えずにはいられない、そんなルフィが伝わったらいいな。


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