『 誕生日プレゼント 』



「誕生日に欲しい物?」
「おう。」


もうすぐウソップの誕生日。
皆、プレゼントを何にするかであれやこれや騒いでいる。
俺は正直、そういったことにあまり興味がねぇ。
「プレゼント用意しないと、宴の時お酒飲ませないわよ!」
って何でだよ!
でもまあ、たまにはいいか…
と思ったところまでは良かったが、何をプレゼントしたらいいのか分からねぇ。
変なもんプレゼントするより、本人に聞くのが一番だな!で、今に至る。


「…ゾロらしいよ。」
「ああ?!」


ウソップは首を横に小さく振って笑った。
何だよ、意味分かんねぇ。
納得いかねぇ思いをどうしたもんか、と腕を組んでその場に座り込んだ。
ウソップはうーんと何か考えてる。


「じゃあさ、ちょっと付き合ってくんねぇか?」
「あ?何に。」
「買い物。」


買い物…買い物か。
それくらいなら面倒じゃねぇし、ついでに欲しがってるもんでも買えばプレゼントになるかもな。


「ああ、付き合うよ、買い物。」
「そうか、助かる。」


助かる?
荷物持ちか?
すごく嬉しそうに笑うウソップに、それ以上は聞けなかった。
まあ、いいか。
ウソップが嬉しいなら何よりなプレゼントだよな。

 


ゾロが買い物に付き合ってくれるのはすごく珍しい。
なんせ自分のこと以外に案外興味のないヤツだし。
鍛練だわ何だわで船に残ってることが多いからな。
何より、勝手にうろうろされると後が大変だ。


ゾロが一緒に居てくれると買い物、すげぇ助かる。
店のお姉さん方がみんな値引きしてくれる。
少ない小遣いで資金繰りする俺にとっては大事なことだ。
もちろん荷物だって持ってもらえる。
いいことづくめ。


更に、
お礼にって、小さな酒瓶を渡すと上級な笑顔を返してくれる。
これが案外レアだ。
何かこう…ドキドキする。
その笑顔見たさに買い物に誘ったなんて、絶対言えない。
国家機密事項だ。


…どこかでお茶でもすっかな。
へへ、楽しみだ。




 


2013.04.03


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アップが遅くなってしましました・・・
珍しく、ほんとに珍しく間に合っていたって言うのに!!(ホント)

妄想段階ではなんかもっと違う感じだった気がするんだけど・・・
ウソップが嬉しそうなのでよしとします。
おめでと、ウソップ!!

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