『 昔と今 』


今、目の前にいる鷹の目をこの手で倒せば俺が世界一だ。
今、この手で。


昔のオレなら、間違いなく勝負を挑んだだろう。
例えそれが、オレの終わりの日になろうとも、
オレの人生に悔いなんざ残したくねぇから。


だが、
今のオレはどうだ。
違う。
目の前に鷹の目がいると言うのに、ルフィの元へと意識が集中する。
世界一にと言う思いは全く変わらねぇ。
むしろ強くなってる気さえする。
違うのは、
オレの人生、どこに悔いが残るのか、だ。


世界一の剣豪を目指してきた。
なれると思っていた。
しかも、すぐに。
鷹の目と対峙した時、初めて自分の弱さを知った。
圧倒的な強さ。
オレはまだまだ弱い。
あの頃も、そして今も。
その事を知っているからこそ、まだまだ強くもなれる。
自分の弱さを知らねぇヤツは、そこが限界になるから。


ルフィに誘われ、海賊になり、仲間が増え、今傍にいねぇ。
オレは戦闘員として船にいるんだから、戦えなくては仲間でいる理由がない。
弱ぇ自分が今あいつらに合流しても、なんにもならねぇとは思う。
思う、が。
あいつらを放っておいて、オレが強くなるために何かをする気にはなれねぇんだ。
オレがいねぇうちにルフィが、あいつらが、全滅するなんてことがあってみろ。
それこそ悔いが残る。
オレは麦わらの一味なんだ。
麦わらの一味の、戦闘員なんだ。
先生、オレ今なら先生が言ってたことが分かるよ。
守ることも、剣の道だと。


だからオレはルフィの元へ急ぐ。
オレはオレの、仕事を全うするために。
そしてそれこそが、世界一の剣豪への道だとオレは信じている。



 

 


592話で、ゾロが出てきたって聞いて我慢できずに見ちゃって。
そんでひかるこさんと色々話してるうちに出来たお話。

実際にはまた違う展開になってきてるんですけど、
本当は早く早く合流したかった・・・それはなぜ?って思いで書きました。

早く確認したいはず。
どうしてる、ルフィ。
どうしてる、お前ら。

それでも。




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