『みんないいやつ』

 

 「とにかく!絶対安静だから、おとなしくしてないとダメだぞ!トレーニングなんてもっての他だからな!!」

分かってるよ、今回はさすがの俺もしばらく休ませてもらうぜ。

 

「なんだ、ゾロ。まだ元気にならねぇのか。肉食わないからだぞ、肉!!俺のやるから食えよ!!」

ありがたいが・・・すまん、今は体が受けつけねぇよ。

 

「バカかお前は!大怪我してる奴に肉を食わすな!

ったく死に損ないが・・・おかげでくそ手間暇かかった特製スープ作る羽目になったじゃねぇか。」

悪かったな、死に損ないで。

 

「まったく、何をどうやったらこんな怪我するのかしら。いつも心配ばっかりかけちゃって。」

お前が、いつ俺の心配をしたよ?

 

「ゾロは昔っから怪我ばっかだよな〜。だいたい無茶なんだよな。時には引くことも考えねぇとな。

体いくつあっても足らねぇぞ。」

引くことは考えたこともねぇな、ありえねぇし。

 

「ヨホホ、よっぽど高いお志をお持ちなんですね〜。」

よく分かってんじゃねぇか、骨なのに。

 

「しっかし、頑丈な体してやがる。どうだ?!もっと頑丈に改造してみるってのは?!」

させるか!俺は変態じゃねぇよ!!

 

「あら、私はてっきり改造済みなのかと思っていたわ。あの怪我で生きてるなんて人間じゃないもの。」

おいおいおいおい。

 

「「「「「「「あ〜〜〜〜〜〜なるほど、そうなのか。」」」」」」」

待て待て待て待て。

 

「・・・てめぇら・・・人が黙ってたら好きなこといいやがって。っちったぁ静かに見舞うってことができねぇのかよ!」

 

お、静かになった。

 

「・・・ゾロ、早く良くなれよ。おめぇがベッドじゃなくて、甲板で寝てるとこをみんな早く見てぇんだよ。」

クルーの視線が集中する。

その眼差しは・・・優しい。

 

「ああ、そうだな。ここはうるさくて居心地が悪りぃからな。」

 

満足げに笑う皆に出会えてよかったと改めて思う。

みんないいやつだな、ルフィ。

 

 

 

 

 

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