『空間』

 

 

目を開けたら


心臓が壊れるかと思うほどにドキンと鳴った。


目の前に、ゾロの顔があったから。


バクバクする胸を押さえて起き上がると、
甲板の上で、
ああ…そう言えば…
と思い出した。


ゾロが昼寝をしてた。
すごく気持ち良さそうに。
いつもなら遊ぶことで忙しい俺だけど、
俺も昼寝したいって思った。
『俺もゾロと昼寝する!』
寝ていると思ったゾロが薄目を開けて答えた。
『勝手にしろ。』
それで俺は、ゾロの横に寝転がったんだ。
ふわふわと
すごく心地いい空気に包まれて、
俺はすぐ眠りについた。


甲板の上は、相変わらず気持ちのいい風が吹いていて、
ゾロの規則的な呼吸がどれだけ気持ちいいかを
物語っていた。
俺はしばらくゾロの顔を眺めて、まだ落ち着かない胸を
もう一度、強く押さえた。

キス…したい。


ゾロの顔を見ながら、
沸き上がってきた欲望に戸惑い、
でも…



「やっぱ、キスしてぇ…かも。」


小さく小さく呟く。
叶わないことも、届かないことも、
よくよく分かっている。
それでも、ゾロを欲しいと思う。


もう一度、ゾロの横に寝転がる。
ゾロの顔を見ながら、再び眠りに着いた。


心地よい風と、ゾロといる空間と。


ゾロ――大好きだぞ。





ネタ振りは、感謝祭での船長誕カウントダウンチャットの際にいただきましたお題、
「お昼寝ゾロル」と、
ひかるこさんがたまたま書いていたSSのお題、
「キス」からです。
微妙な空気になってますね・・・。
でもまあ・・・こんな風に、穏やかに好きだな〜っていう感じもいいでしょ?
で、「お昼寝ゾロル」のイラスト・・・いつになったら描けるのか・・・
そもそも、寝顔?!
無理・・・・。

 

 

NOVEL   TOP