『 馬鹿なのは俺だ 』

 

身体が痛いだとか、
傷が痛むだとか、
そんなことが気にならねぇくらいに
ルフィのことが頭から離れない。
あの日から何日経ったのか、俺はお前に近付けているのか?
お前は迷子が得意だからな、俺が探してやらないと。


ホロホロ女は俺のことを馬鹿だと言う。
耳にタコが出来る程に聞いた。
ほっといてくれ。
そんなことはずっと前から分かってる。
ずっと前。
ルフィに出会った時から。


俺が船長だと言う。
海賊王になると言う。
世界一の大剣豪にくらいになれと言う。
馬鹿だと思った。
言われなくてもなるが、
んな簡単か?と思った。
そんな訳ねぇと思った。
思った、のに。
仲間になって、共に歩み始めて気が付いた。
馬鹿なのは俺だ。
最初から、俺はルフィに惹かれていた。
根拠のない自信や、笑顔や、強い瞳に。


一緒にいたら離れられなくなる。
何もかもをルフィに奪われてしまう。
心も、身体も、俺全部。
そのことに気付かず、仲間になると口にして、
俺は全部全部、お前に持っていかれた。


うるせぇよ、馬鹿馬鹿言うな、分かってるから。
いいじゃねぇかよ、馬鹿でも。
それくらい、自分を賭けることが出来るやつに出会えたことに、
俺は心底満足してんだからな。




 



ひかるこさんに「サマンサさんとこのゾロはどうしてる?」と聞かれ・・・・
どうしてるのかなぁとしぼりだしてみた(笑)
でも書き始めたらなんかこうゾロが寂しげに微笑んでる気がして(幻覚)
ドッキドキしながら書いたよ、私。
ゾロって・・・薬物?(危険)

対のSSも書きました!
良かったら読んでみてください。



2010.06.09


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