『 ショッピング 』
by 水城ひかるこ


これは…抜けがけなんかじゃないよな。
抜けがけじゃ。

隣で嬉しそうにフニャリと笑う三橋と、一緒に池袋まで買い物に行ったって、別に変なんかじゃねェ、普通だよな、普通。

「は…花井君は、やっぱり凄い‥カッコ、カッコイイね」
「そうか?」

待ち合わせの駅の手前のマックで、三橋が俺を見上げて、おはようの挨拶の後に白い息を吐きながら言う。

そう言う三橋こそ、マフラーを巻いた姿はユニセックスで可愛い。
さっきから、チラチラと男も女も、二人で歩き出した三橋を見ている。

実は三橋のマフラーは、俺がしてくるように指定して、さっきリボン巻きに直した。
いつも三橋は、普通にぐるぐる巻きにしてるけど、絶対この方が似合うよなと思ってたんだ。

「三橋は、いつも服とかはどうしてんの?」
「オレ…は、ウチにあるやつを、てき適当に」
「ふーん」

なら、あの普段の可愛いらしい格好は、三橋の趣味じゃないんだ。

「あと、きっ季節の変わり目に…じい…じいちゃんが」
「え、お祖父さんが?服、買ってくれるの?」
「う…うん、沢山…送ってくる」
「へえ、なら今度それ見せてよ」
「う…だけど、じいちゃん、きっと服選ぶの、ルリ…イトコにも頼んでるから」

「あぁ、だから可愛いのが多いんだ」
「かっ…かわ…かわ‥」

ルリって、栄口が確か同居してたって聞いた可愛い娘の事だよな。
水谷も良く似てるとか言ってたし。

「なんだそれなら、今日は小物中心な」

冬物は高い。それに三橋は無造作にブランド物を着てたりするから、せっかくだから合わせられる物の方がいいだろう。

二人でウィンドウショッピングしたり、ゲームしたりは楽しかった。
三橋も二人切りなら、あんまり慌てずに会話出来るみたいだし。


だが二人切りのソレを、デートと呼ぶんじゃないかなとは…まだ花井キャプテンは意識してない(笑)


●退院祝い&誕生祝いにいただきましたww
  すっかりハナミハなひかるこさん、可愛らしい二人をどうもありがとう〜!!
  あ、激レアなのは言うまでもありませんよ!!

2010.10.31




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